2024年3月3日(第9号) | ||
聖日礼拝 | ||
第1礼拝司会 : | 横田 眞兄 | |
第2礼拝司会 : | 阿部潤也兄 | |
奏 楽 : | 小室陽子姉 | |
前奏 | ||
招詞* | 詩篇100篇1~5節 | |
賛美* | 539番 | |
祈り | ||
交読文 | ヨハネの福音書15章1~12節 | |
賛美* | 7番 | |
牧会祈祷牧師 | ||
賛美* | 313番 | |
聖書 | 創世記32章22~32節 | |
説教 | 「キリスト者であること (8)」 | |
――砕かれた者――喜多副牧師 | ||
献金 | 333番 | |
頌栄* | 541番 | |
祝祷*牧師 | ||
報告 | ||
(*の部分はご起立下さい。) |
「キリスト者であること(8)」
――砕かれた者――
副牧師 喜多 大樹
兄のかかとを掴んで生まれてきた彼の名はヤコブという。彼は母の胎内にいる時から双子の兄とぶつかり合い、押し合ってきた。平和を愛した父の子は、争いの息子として誕生したのである。*
彼の人生は奪い取る人生であった。確かに彼は神に選ばれた。しかしその人生は「奪い取ることによって」進んでいくべきではないはずだ。貪欲が彼の胃袋を支配し、欲しいものを飲み込むため彼はあらゆる手段を講じた(創25:19-31:55)。
「弟」として生まれたのだから本来彼は長子とはならない。生まれた順番は誰にも動かすことはできない。それでも彼は「長子」という特権を欲しがった。彼は腹を空かせた兄エサウの弱みにつけこみ、その権利を横取りした。
弟はそれだけでは満足できなかった。父イサクが兄に贈ろうとした「祝福」をエサウになりすまして騙し取った。隣人に与えられようとしている贈り物を取ってしまう。そのような生き方が平和を生み出すはずがない。奪った祝福の結果は呪いとなり返ってくる。兄は激昂する。エサウは彼を亡きものにしようと殺意を燃やすが、彼はなんとか逃亡して命を保つ。一体、彼はこの人生で何を得たいのか。
逃亡した先で、彼は祝福を独占する。親戚のもとに身を寄せたものの、そこで誰よりも富む者となり妬まれる。とうとう彼はそこから脱出しなければならないほど追い込まれ、ついに故郷を目指す。しかし、川を隔てた向こうには兄がいる。
*
彼は恐怖に支配される。妻と子、財産をすべて向こうに隔て、ひとりだけ後に残る。するとある人が夜明けまで彼と格闘する。ヤコブはこの夜、最後の闘いに挑む。そうして彼は「イスラエル」と呼ばれる。そんな彼の足はひどく傷ついている。